「自然や人と関わりながら、まちと森をつないでいきたい」地域おこし協力隊 野見山 明子さん

興味の幅を広げられる新たな挑戦

福岡県出身の野見山さんは、大学卒業後は東京でカメラマンの仕事をしていました。
パートナーが富山県出身だったこともあり、富山へ移住することに。新しい土地ですぐにカメラマンの仕事で安定するのは難しいと考え、富山で職を探し始めました。

そんなとき目に留まったのが、「『香り文化』推進プロジェクト」という上市町地域おこし協力隊の募集内容。ご自身でもスタジオ撮影の際にアロマを焚いており、香りは身近にあったため、「面白そう」と興味を持ったといいます。

選考中には2泊3日の「おためし地域おこし協力隊」に参加し、香り文化を広めるイベントのスタッフとして活動したり、上市町のカメラマンと風景を撮影しながら町を巡るプログラムを体験したり、実際に地域活動に参加することで町の人々や雰囲気を知ることができました。

選考を通して町の担当者の距離感が居心地よく、「なんだかいいな」と感じたのも決め手のひとつとなり、令和5年4月に地域おこし協力隊として着任。

持ち前のコミュニケーション能力と探求熱心な一面を活かしながら、地域に溶け込み、新しい環境を楽しんでいる野見山さんに、現在の活動やこれからの展望についてお伺いしました。


“人”に恵まれた環境でのびのびと活動に取り組む

1年目は富山県産の樹木から精油を抽出する事業を展開する「アロマセレクト」で、和精油の講座を受けて香りの勉強をしたり精油づくりやイベントのお手伝いをして香りについて学んでいます。「香り文化」「精油づくり」と聞くと、オシャレな感じなのかなと思っていましたが、実際の仕事は山に入って木を切るところから始まるんです。そこから木を粉砕して抽出するという流れになります。

オシャレなイメージの裏側には、山や森とのつながりも深く、林業に近いことをやっているというのも新たな発見でした。東京に住んでいた時はできなかったことなので、楽しくやらせてもらっています。
木からこんなに香りが出るものなんだっていうことも知らなかったし、日々、新鮮で面白いです。

 

香り文化を広める新たな提案として、木の廃材を使った雑貨づくりにも挑戦しています。
メモスタンドやバードホイッスル、最近では、アロマオイルなどの商品を入れるギフトボックスなども試しに作ってみています。

元々雑貨づくりをしていたとか、得意だったというわけではないんですが、精油をつくる過程でどうしても使い切れない廃材が出てくるので、それをどうにかできないかなと思いついたまま作って活用方法を模索しています。
自然を前にするといろんなアイデアが湧いてくるんですよね。

そんな活動の一環で、上市町の眼目山立山寺(がんもくざんりゅうせんじ)を会場に「香りの中の森」というイベントを企画させてもらいました。(令和6年3月9日、10日の2日間開催)

五感を通して「森の香り」を感じてもらうというコンセプトのイベント。香りづくりのワークショップだけでなく、香りの元となっている木々に触れる森の散歩ツアーや、香木として知られる「クロモジ」のお茶をいただく体験など、香りに触れながら自然とのつながりを体感してもらいました。

上市町に来てから、いろいろな“はじめて”のことに挑戦させてもらっています。
先輩地域おこし協力隊の2人や周りの方々も優しい方ばっかりなので、心地よく活動させてもらっている感じですね。

人づてに地域の方とのつながりも増えてきました。香りの抽出のために使うユズをたくさんの方に譲っていただき、お礼にユズの芳香蒸留水をお渡ししたり。
昔から話を聞くのは好きだから、みなさんとのおしゃべりも楽しんでいます。

 

豊かな自然とそこから生まれる香りの魅力を発信

実は、上市町にはこんなに素晴らしい自然が近くにあるのに、あまり山や森に入っていかない方も多いんです。
今こうして、せっかく森と関わりながら活動ができているので、もっと森の良さを知ってもらえるように発信していきたいですね。
自分がもともとやっていたカメラマンの仕事も活かせるといいな。

上市町には森を所有している方もたくさんいらっしゃるので、そういう方たちとももっとコミュニケーションをとりながら、精油などの商品づくりにうまく活用していけたらなと思っています。
森を持っているだけで野放しにしている方も多く、商品づくりを通してそういった方たちへ還元しつつ、香りを通してもっと森を身近に感じてもらえたら嬉しいです。

香りや森はとても奥が深く、まだまだ勉強不足。
それぞれの香りにある効能などをもっと勉強したいし、森にあるいろんな木についても、もっともっと学びを深めて、その魅力を伝えられるようになりたいですね。

 

森に興味を持ってくれる仲間が欲しい!

上市町の地域おこし協力隊には、「まちと森をつなぎたい」という共通の想いがあると思うんです。
森に興味を持って、積極的に関わってくれる方にぜひ来てほしいですね。

最初は、地域に溶け込めるかな…など迷うこともあると思いますが、気になっているなら、もう思い切ってやってみたらいいと思うんです。
役場の担当者の方も地域の方も、なにかあったら相談できるあたたかい方たちばかりです。

個人的には、同世代の方との関わりがもっと持てるといいなと思っています。
和気あいあいとした雰囲気で活動しているので、ぜひ仲間になってください!


地域おこし協力隊を募集しています!

今回お話を伺った野見山さんのように、一緒に上市町で活動する地域おこし協力隊を募集しています!
少しでも興味を持った方は「上市町地域おこし協力隊」募集ページで詳細をチェック!