上市町で
家を見つけよう

住まいの選択肢を増やすきっかけになれば

「種宿(たねやど)」経営/農業
廣川弘貴さん(2015年上市町移住)・絵梨子さん(2016年上市町移住)ご夫婦

「自然のなかで暮らしたい」という想いから、弘貴さんが上市町に単身移住。その後、絵梨子さんと結婚し現在は2人のお子さんと4人暮らし。古民家を利用した「種宿(たねやど)」を経営している。


上市町で住まうスイッチ「自然や地域と触れあう暮らし」

弘貴さんは富山県入善町の出身。移住前は入善町から富山市の職場まで通っていました。「もっと自然の中で暮らしたい」と移住先を探していく中で出会ったのが「種」という土地。雪が多くて自然豊かなところ、と思い描いていた理想に近く、直感でいいところ、と感じたそう。移住から程なくして高岡市出身の絵梨子さんとご結婚され、農業をしながら古民家を利用した「種宿」を経営しています。

地域の方々とはとても良好な関係。草刈りや農作業に真剣に取り組む弘貴さんの姿を地域の方々もちゃんと見てくれていたのだといいます。
若い世代の移住は思いのほか喜ばれ、お子さんたちとのびのび暮らし、自然を感じながらの生活を実現しています。

自然が好き

上市町でも山あいにある「種(たね)」という地域で、農業を営みながら古民家を利用した「種宿」を経営しています。コンセプトは「存分に自然・日常に触れ合うことのできる宿」。
以前は会社員として富山市内で働いていましたが、自然での暮らしを求めて移住しました。

家族での山あいでの生活

単身で種に移住して1年後くらいに妻と結婚し、夫婦での生活が始まりました。
妻は幼いころから自然の中で遊ぶのが好きで、結婚する少し前は山菜採りにはまっていた時期もありました。そんなこともあってか、結婚を前に種の家を見せたときも「田舎での暮らしも楽しそう」と思ってくれたみたいで。

移住後、周りに知り合いはいなかったのですが、若い世代が移住してきたことや、自分も一生懸命草刈りや農作業をしていたこともあり、地域の方から声をかけていただくようになりました。コミュニケーションが増え、交流の輪も広がっています。子どもが生まれたらなおさら。みんなでかわいがってくれるんです。

山菜が採れる場所を教えてくださる方もいて、採ってきた山菜を「半分こね」と分け合ったりします。ここに住むなら猟もできたら楽しいかなと思い狩猟免許を取ったのですが、先輩方が獣のさばき方を教えてくれたり、とてもありがたいことです。
地域の方々には、この種地区で育まれた伝統や温もり、人とのつながりなど、様々なことを教えてもらっています。

ここで自分も成長したいと思いますし、この土地や地域の方に成長させてもらっているのを実感しています。

小さな日常を大切にする宿

そんな中でご縁があり、紹介してもらった古民家を「種宿」とし、経営をスタートしました。
特別なおもてなしはないですが、自転車や農機具を貸し出したり、その日に畑でとれた野菜や私が育てたお米を使って料理したりお客様の自炊スタイルでここでの日常を楽しんでいただいています。
土間に流れる風や、虫の鳴き声、普段の暮らしではなかなか感じられない季節のうつろいを五感で感じることができる、田舎では当たり前の“日常”が最大の魅力です。私の子どもたちも宿に来られるお客様との交流をとても喜んでいて、外から来られる方に刺激を受けているようです。
慌ただしく過ごす毎日にほっと一息つける、どこか懐かしいふるさとのような場所と感じていただけたらうれしいです。

まずは知ること。そこから一歩つながりを増やせるように。

子どもが生まれてからは、一緒に山を登ったり、冬は雪を思いっきり楽しんだり。種で暮らしていくうちに生命力のある子に育てたいと思うようになりました。ここは子育てにもとてもいい環境。
そんなふうに、生活の軸を自然の中に置くことで都市部とは違ったいろんな暮らし方ができるんだという発見を与えられるような、そのひとつのきっかけに「種宿」がなれたらいいなと思っています。

また構想段階ですが、やりたい事があります。それは「プレーパーク」を種でつくること。
自然を生かしながら子どもが自由に遊びをつくる場があったらいいなと、ずっと興味を持っていました。
「プレーパーク」とは、子どもたちが主体となり、草木を使ったり泥んこになったり、そこにあるもので遊びをつくり上げていくところ。親は見守ったり遊んだり自由に。
子どもの遊び相手を増やしたい想いもありますが、特に子育て世代の方々に種という地域をまずは知ってもらい、移住してもらう良いきっかけになればと思っています。

「種宿」を起点に、この土地の豊かさを伝え、種に来たいな、住みたいなと思ってくれる人を増やしていきたい。いずれは移住したい方と地域の方々の橋渡し役になれたらいいなと思っています。