「小さな田舎から全国、世界へ」 株式会社ティー・ツリー・コミュニケーションズ 茶木 勝さん

上市町で創るスイッチ「地域の魅力をビジネスにつなげたい」

上市町で地域の魅力を発見、ブラッシュアップして、それをもとに土産品として商品化したり、観光ツアーを企画したりする事業を行っているのが「株式会社ティー・ツリー・コミュニケーションズ」です。代表を務める茶木さんは、富山市出身で東京からUターンし、上市町で会社を立ち上げました。のどかな田舎に拠点を置きながら、グローバルな視点でビジネスに取り組んでいます。運営する直売所「里山の駅 つるぎの味蔵(あじくら)」では自社開発した商品のほかに、上市町の生産者さんこだわりの農産物や加工品、雑貨など様々な商品が並び、観光客だけでなく地元の人々にも愛されるお店となっています。

「メグスリノキの九宝茶シリーズ」や「ビューティー薬膳茶」、「さん家直送とやまのジェラート」などユニークな商品を展開している同社で、現在、新たに取り組んでいるのが、純国産「メンマ」プロジェクト。上市町の竹林を有効活用し、全国、世界へと売り出せる商品を開発したいと、代表の茶木さんをはじめスタッフ一丸となって奮闘しています。

株式会社ティー・ツリー・コミュニケーションズのHPはこちら http://www.tea-tree.jp/


はじまりは「雇用創造協議会」

僕ね、出身は富山市だけど、ずっと東京で勤務していて、サラリーマンやめて富山に帰ってきたんです。東京では競争社会に縛られていて。いざ田舎に帰ってきたときに、やっぱり生まれ育った富山って自分の中ですごくいいんですよね。もう東京に戻るのが嫌になっちゃって。でも富山でなにか会社を興そうと思っても手に職がないわけですよ。

ちょうど帰ってきたときに、上市町で「雇用創造協議会」をつくるっていう話があって。地域の魅力を発見して、創造してそれを商品化する。観光でもね、ツアー組んでガイドさん見つけて雇用を生みましょうっていう協議会。上市町役場の担当者に「雇用創造協議会の責任者をやらせてもらう期間を使って自分が起業する準備をしてもいいですか?」って聞いたら、「それでいいんだよ」っていう話だったので、喜んで引き受けました。
そこで3年間準備して、協議会で考えた特産品とか観光ツアーをこれからどうしていこうかという話が出たときに、「自分で会社作ってそれを売ります!」って手を挙げたんです。ちょうどそのとき、町の観光協会が管理していた施設を民間に委託するからここでやってみるか、ということでこの場所で「里山の駅 つるぎの味蔵」を始めることになりました。
上市町にはそれまで全くご縁がなかったけど、今、一番愛着がありますよね。
地元の方だとぼやけて見えてない町の良さだとか、発見とかがあって。そんなのが逆に幸せだったのかもしれない。

 

上市町の竹を「メンマ」に

僕の会社ではオリジナルのブレンドティーをつくっていて、富山県内のホテルなんかに置いてもらっていたんです。でもコロナ禍で営業終了したホテルもあって、その事業としては大打撃を受けていたんですね。別の事業の柱が欲しいとも思っていたし、お土産ではない何かをゼロからつくりたいという思いもあった。そんなときに、富山県森林組合連合会の会長をされている伊東前上市町長から1枚の冊子のコピーをもらって。九州で12mに伸びた竹を使ってメンマづくりを始めている、お前のとこでもやってみれば、とお話があって。原料は、日本中で困っている竹林。日本中で管理しきれなくなって大変になっているものを、食べることによって整備が進む。大きくなる前に食べちゃうわけだから。この取り組みは面白いなと思って、すぐ九州に行って、冊子に載っていた人のところを訪ねました。富山でこういう取り組みをしたいって話をして、5月ごろに富山に来てもらって、勉強をして。 

須山地区で竹林を管理している水林さん(水林さんのインタビュー記事はコチラ)に竹を積んできてもらって、僕たちはスタッフ総出でそれを切って、茹でて。それが今塩漬けになっている状態です。

 

販路は首都圏、そして世界へ

 

今回上市町役場の方からもお声がけいただき、国の補助事業を活用して純国産「メンマ」プロジェクトに取り組んでいます。3年計画。今年は試作品を作って地元の方に地元の資源でこういったものを作る活動をはじめましたって広報を含めてやっていきたい。来年はブラッシュアップして、商品化を目指して展示会なんかにも出して、販路開拓の準備。3年目は、4年目からちゃんとした事業として軌道に乗るように、加工所も整備しなくちゃいけないし、販路もちゃんと形にして出していきたいなと。本来なら捨てちゃう資源を使っているけど、輸送や加工している間にコストはかかってくる。どうしても輸入品のメンマよりは高くなってしまうかもしれないから、首都圏に売り出したり輸出も視野に入れています。先を見据えて、常温で長期保存できるようにレトルト商品にして、何かビジネスにつなげていきたい。そういうときには新たな雇用も生まれるしね。そこを目指してがんばっていきたい。

基地は田舎に、視野は広く

上市町はすごくコンパクトな町で、学校とか病院とか金融機関とか、全部ワンストップで済んじゃうっていうそんな町なんですよね。そこがいいなと思っていて。帰ってきてよかったのは、時間の流れ方がゆっくりなんですよ。のどか。でも自分はやっぱり、仕事している以上はビジネスもちゃんとやりたくて。物の販売とか物の売り先っていうのは、首都圏とか輸出も含めて検討していきたい。でもその基地は、この田舎でいいなと思ってる。それが自分の理想なんですよ。今回のプロジェクトでも、こうしたいっていう思いがちゃんとあって、思いを形にして取り組める人に来てもらいたいですね。ちょっと難しいけどね。あとは町の人たちは一見寡黙な人が多いから、コミュニケーションがちゃんと取れることも大事。話始めるとめちゃくちゃしゃべるからね。(笑)


プロジェクトメンバーの採用が決まり、募集を終了いたしました。

今回お話を伺った茶木さんが代表を務める「株式会社ティー・ツリー・コミュニケーションズ」では、地域おこしプロジェクトのひとつ純国産「メンマ」プロジェクトに取り組んでいます。
採用された地域おこし協力隊員は、純国産「メンマ」プロジェクトに参加して、地域資源の活用や竹林を守る活動を推進します。任期終了後はプロジェクトを引っ張っていってほしいと思います。

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