DIYリフォームで空き家ならではの雰囲気を演出【古道具 柿森商店】

空き家は、上手く利活用すると空き家にしか出せない素敵な空間になります。

今回は、上市町の空き家をDIYでリフォームして「古道具 柿森商店」をオープンされた、柿森さんに話を聞いてきました。

 

仕事の合間にDIYを続け、1年以上かけて完成した店舗。

店舗を見たときに「空き家の雰囲気を上手く残すと、新築には出せない味のある空間を生み出せるんだなぁ」と感心してしまいました。

 

この記事を読むと、ただキレイにするだけじゃない空き家の利活用や、人を巻き込んでいくリフォームの方法などが分かるので、空き家に興味のある人はぜひ最後まで読んでみてください!

古道具 柿森商店
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【目次】
⚫︎空き家DIYのビフォーアフター
⚫︎柿森商店オープンまでの経緯
⚫︎空き家のDIYの様子
⚫︎空き家の利活用で大変だったこと
⚫︎故郷、上市町への想い
⚫︎古道具と空き家への想い
⚫︎空き家をDIYリフォームで店舗にした結果
⚫︎上市町の空き家利活用サポート

 

 

空き家DIYのビフォーアフター

柿森商店がDIYでどのように変わったのかは、ビフォーアフターの写真を見てもらうと一目瞭然です。

 

DIYリフォーム前の店舗外観

DIYでリフォームする前は、見ただけで空き家と分かる外観でした。

ドアもガタガタで、雨よけのホロは破れてボロボロ、鉄の部分もサビサビの状態。

 

DIYリフォーム後の店舗外観

リフォーム後は、全くの別物!

ボロボロだった戸はピカピカになり、錆びていた鉄もペンキでキレイになり、破れていたホロも新品になりました。

壁もいい感じの板張りになり、店先にある観葉植物もいい雰囲気を演出しています。

 

DIYリフォーム前の店舗内観

残置物などを処分して、掃き掃除も終わって、かなりキレイな状態のビフォー画像です。

もともとは大型の家具や家電などが置いてあり、こんなにスッキリはしていない状態でした。

 

DIYリフォーム後の店舗内観

リフォーム後は、昭和レトロな古道具屋という感じに変身!

大きくは変わっていないように見えますが、壁や戸がキレイになり、雰囲気のある間接照明や棚などが設置されたことで、リフォーム前とは全く別空間に生まれ変わりました。

 

 

柿森商店オープンまでの経緯

古道具 柿森商店のオープンのキッカケは、オーナーの柿森さんが上市町で不動産の売買・賃貸・リフォームをする「REUSE不動産」を経営しているところから始まっています。

 

生まれ故郷の上市町に空き家がどんどん増えてきているのを見て、なにか貢献できないかと考えた柿森さん。

空き家に可能性を感じて、まずは自分自身で空き家を改装してお店を出してみようと思ったそうです。

 

「モデルとして自分で実際にお店をやってみれば、どれくらい人が来るかなどの状態が分かります。空き家を利活用できるという実績ができれば、きっと話を聞いてくれる人が増えるはず。空き家を中心とした不動産屋だからこそできることもあるはず!」

柿森さんはこのように考え、「このお店をスタートさせないと何も始まらない」との思いで、仕事の合間を見てDIYでのリフォームを実行。約1年ほどかけて、ようやくオープンにこぎつけました。

 

最初は、自分の好きな古道具を売りながら、お店を出したい人にスポットで場所を貸し出せればよいと考えていたそうです。しかし、古道具を置いてみると想像よりもスペースがなくなったので、スポット貸しは一旦中断。

現在は、土日祝日を中心に不定期で古道具店を営業しながら、時折コーヒー屋さんなどとコラボしてイベントを開催するという形で運営をしています。

 

 

空き家のDIYの様子

柿森さんは、店舗の大半を自身でDIYしています。しかし、壁の漆喰塗りはイベント化して、DIYに興味がある人を集めて一緒に作業をしました。

 

DIY漆喰塗りイベントの様子

イベントには、漆喰塗りに興味を持った親子が中心に参加。子どもが楽しそうに漆喰を塗っている光景は、とてもほほえましかったです。

店舗のオープン前にこのような繋がりができることは、お客さんになる方が増えることに繋がるので「とても良いな」と思いました。

 

店内のこの場所は元々暗い倉庫でしたが、DIYで天井を取り除いたことで、広くて明るい空間に生まれ変わっていました。

壁に貼ってある板は、柿森さんが自分で買ってきてカット&塗装。壁全体に貼り付けていったとのこと。相当大変だったと思いますが、空き家の雰囲気を生かした素敵な空間になっています。

 

柿森商店のDIYは、電気工事だけプロの人にお願いして、天井や床の張り替え、壁の塗装など、その他のほとんどの部分は柿森さん自身と家族とでコツコツ行ったそうです。

 

 

空き家の利活用で大変だったこと

柿森さんに「空き家の利活用で大変だったこと」を聞いたところ、一番は「片付け」とのこと。

すでに片付けが済んでいる物件ではない場合、空き家利活用の第一歩は、家の中の物の片付けです。この写真は9割方片付いた状態ですが、元々はかなり色々な物であふれていました。

今回の柿森さんの場合は、本来使う予定ではなかった畳の部屋なども急遽使うことになったので、さらに大変だったそうです。

 

先ほどの写真に写っていたブラウン管のテレビは、このように店内の雰囲気作りのために飾りとして再利用しています。

使えるものは使って節約しつつ店内の雰囲気作りにもしっかり活用するという考え方は、DIYでのリフォームを考えている人には、かなり参考になるのではないかと思います。

 

 

故郷、上市町への想い

柿森さんが、空き家をDIYして「古道具 柿森商店」を始めた理由の一つは、故郷上市町への想いです。

小さい頃ここで育ち、賑わっていた昔の状態を知っているからこそ、今のこの状態は少し寂しい」と話していた言葉がとても印象的でした。

 

空き家が新しい店舗に生まれ変わると、そこにコミュニケーションの場が生まれます。店主、お客さん、商品の仕入れ先、町の人との繋がりが生まれます。

柿森さんの場合は、店内の装飾に使用したドライフラワーを扱う人と繋がり、さらにその知り合いのコーヒー屋さんと繋がり、一緒にコラボイベントを開催することになったとのこと。

 

たった1つのお店がオープンしただけですが、そこから人の繋がりが積み重なり「最終的には上市町の活性化に繋がっていくのかも」と、人と人との繋がりの重要性を実感しました。

 

 

古道具と空き家への想い

柿森さんは、元々古道具が好きだったのが、仕事柄よく見るようになったので、さらに好きになったとのこと。新品にはない味のある雰囲気や、背景の歴史などに魅力を感じるそうです。

現在お店で販売している古道具は、仕入れたものや譲り受けたものなど様々。お店をオープンしてみると、想像よりもお客さんが来店され、自分と同じように古道具が好きな人が意外と多いことを実感したとのこと。

 

私が印象的だったのは、柿森さんが「柿森商店はあまり新しくしたくない。古い状態を上手く活かしたかった」と話していたことです。

古道具だけでなく、空き家も古道具の一種のような見方をされていて、空き家が持つ味や歴史を大切にする方なのだと感じました。

 

 

空き家をDIYリフォームで店舗にした結果

空き家を古道具店としてオープンしてみた結果、上市町の人だけでなく、町外の人も結構来店してくれるそうです。

雑誌やHP、SNSなど、今の時代、お店の存在を知ってもらえるキッカケはいろいろあります。

私が取材で滞在している間も多くの方々がフラッと来店されて、古道具を買っていったり、柿森さんとおしゃべりしていったり。

 

この店ができることで、上市町のまちなかに動きが生まれると良い

柿森さんが話していたことはこういうことなのだな、と目の前で体感できました。

 

 

上市町の空き家利活用サポート

柿森さんが空き家をDIYでリフォームした話を聞いていると、使われていなかった空き家が店に生まれ変わるということは、上市町活性化への想像以上に大きな一歩なのだなと感じました。

たった1店舗と思うかもしれませんが、それを見て空き家の利活用に興味を持つ人が生まれ、連鎖していく可能性があるからです。


空き家が放置されると、その場所を誰も使えなくなるので、町がどんどん空洞化していってしまいます。

そうなることを防ぐために上市町では空き家の利活用に力を入れており、各種補助金のほか、「空家バンク」や「0円空家バンク」などの制度が充実しています。ぜひ上手く活用してください。

【空き家の利活用や創業に活用できる補助金など】
空き家に関する各種補助金
上市町創業等支援事業費補助金
上市町空き店舗活用等地域活性化事業費補助金
上市町創業支援融資貸付利子助成金
上市町移住支援金について

 

上市町0円空家バンクのしくみ

上市町ホームページ (0円空家バンク)

0円空家バンクの仕組みについては、上記動画を見ていただくと大まかな流れが分かります。

 

0円空家バンクを利用してみませんか?【動画】

この動画もあわせて見ていただくことで、より理解が深まるはずです。

 

空き家の利活用に少しでも興味がある方は、上市町役場の建設課管理建築班までお気軽にご相談ください。

どんな小さなお悩みや質問でも、全力でサポートさせていただきます。

上市町建設課管理建築班
〒930-0393 上市町法音寺1番地 (3階)
Tel:076-472-2477
Fax:076-473-2085

相談や問合せは、かみいち空家の窓口まで
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