空き家を所持していると必要になるお金は、固定資産税や管理費だけではありません。
処分するとなると、多額の解体費用も必要になってきます。しかし、上市町0円空家バンクを利用すれば、次のようなメリットを受けながらお得に空き家を譲渡できます。
・各種補助金を活用できる
・役場のサポートを受けられる
・空き家取得者が早く見つかる
上市町の0円空家バンクは、ニュースにも取り上げられている話題の制度。役場としても推している制度なので、手厚いサポートが受けられます。
そして登録の要件を満たして物件が公開されると、全国から10世帯程度の応募があるので、取得者が早く見つかりやすいです。
提供された空き家には新しい人が住むことになるので、上市町の人口減少に歯止めをかけ、地域活性化につながるというのも特徴です。
今回は、上市町0円空家バンクに物件を提供してくださった上市町広野にお住まいの酒井恒雄さんを取材しました。
空き家の管理や処分に困っている方は参考になると思うので、ぜひ目を通してみてください!
【目次】
⚫︎空き家提供の経緯
⚫︎空き家の取得者が決まるまでの流れ
・時系列
・登録の流れ
・固定資産税など
・取得者の決定
⚫︎空き家の不用品の処分について
⚫︎0円空家バンクで大変だったこと
⚫︎空家取得者との関係
⚫︎0円空家バンクに家を提供した感想
⚫︎上市町0円空家バンクのしくみ
空き家提供の経緯
提供した物件は元々は叔父の家で、叔父が特別養護老人ホームに移ってから空き家になりました。
叔父からは「家を処分して更地にしてくれないか」と言われていたので、親族で集まり「この家をどうするか」についての話し合いをしました。
結果、それぞれが家を持っているため「誰も要らない。処分しよう!」ということに。
しかし、いろいろ調べてみると家を壊すのに約400万円かかることが発覚。更地にすると固定資産税も高くなるので、維持管理にかかる費用がさらに多くなってしまいます。
それならば空き家を解体して更地にしてしまうよりも、子育て世帯や若い家族に譲り渡して、そこで生活してもらうのが良いのではないかと考えました。
上市町役場に相談すると、0円空家バンクという制度があることを教えていただき、利用したという経緯です。
私自身、上市町の人口が減っているのを強く実感しており、空き家の提供が上市町の人口増加や地域活性化に少しでも繋がれば良いという想いもありました。
空き家の取得者が決まるまでの流れ
私の場合は、0円空家バンクの掲載から取得者決定まで約1ヶ月、実際の引き渡しまでは約2ヶ月という早さでした。
役場の方が丁寧にサポートしてくださったので、大きな不安がなくスムーズに進められました。
0円空家バンクへの登録から、取得者が決まるまでの流れは次のとおりです。
【時系列】
⚫︎2023年3月30日
0円空家バンクに登録。募集開始
⚫︎4月20日,21日
内覧会開催
⚫︎4月22日
取得者決定
農地転用の手続きに約2ヶ月ほど
引っ越し前にお試し宿泊など
⚫︎6月8日
取得者が移住
電気や水道は、移住後に新しく契約
【登録の流れ】
1.登録可能な物件かどうか事前相談
2.上市町が登記などの書類を確認
3.事前相談後、約1週間で登録可否の決定
≫上市町ホームページ (上市町0円空家バンク)
【固定資産税など】
取得者が決まるまでの管理費や固定資産税は、所有者の負担となります。取得者決定後、所有者移転登記が済んだタイミングで取得者の負担に切り替わります。詳細は空き家提供者と取得者での話し合いになりますが、役場のサポートがあるので安心です。
【取得者の決定】
空き家の取得希望者全員と約1時間ずつ、家を見ながら面談をします。近隣の方との付き合いもあるので、空き家をどんな人に譲り渡すかはかなり重要です。じっくり話をして「この人だったら譲り渡しても安心」という人を決定して連絡します。もし契約に至らなかった場合は、次の人へ連絡するという流れで進行します。
空き家の不用品の処分について
空き家の不用品の処分は、空き家取得者と話し合って残すものと処分するものを決めることから始めました。
これから住む人が使う物があれば、そのまま譲り渡すことでお互いにとってメリットがあると思ったからです。
空き家取得者との話し合いの結果、ほとんどの物を処分する形になりました。新しい生活を始めるにあたって「自分で選んだ物を使いたい」という想いがあるので、多くの場合大半の物を処分する形になると思います。
空き家には冷蔵庫やタンスなどかなり多くの物がありましたが、事前に残すものと処分するものを話し合いで決めていたので、処分の進行で大きく迷うことはありませんでした。
これらの不用品の処分にも、5万円の補助金が使えたので助かりました。
0円空家バンクで大変だったこと
上市町0円空家バンクの利用で一番大変だったのは、農地転用や登記などの法律上の手続きです。
昔は自己資金で家屋や車庫などを増築した場合、登記しなくても特に問題なく、抵当権をかけなくても銀行がお金を貸してくれる時代でした。
しかし現在は、抵当権をかけるために農地転用や登記などが必要になりました。誰かに譲り渡すということになると、順番に手続きをしないといけません。
所有権移転などの手続きも必要になるので、それらの手続きがかなり大変でした。期間も約2ヶ月ほどかかったかと思います。
でも、農地転用などの手続きについては役場の方が丁寧に相談にのってくれましたし、5万円の補助金も使えたのでかなり助かりました。
空き家取得者との関係
空き家の取得者の方は、譲受者決定のときに「この人なら地域に溶け込んでくれる」と思って選んだ誠実な若者なので、今でも良好な関係が続いています。
私は田畑を持っているので、そのことを話したら「忙しいときは言ってください!手伝いますよ!」と力強い言葉もかけてくれました。
取得者の方は、移住して「治安もよく、コミュニティもしっかりしてるし、近所の人によく声をかけてもらえている」「7Kの大きな家なので、両親もここに呼んで一緒に生活したい」と話すほどに、上市町を気に入ってくれたようです。
私としては、近所付き合いも良好なようで安心しています。
家を渡したから終わりという関係ではなく、私は彼らの父親のつもりでいます(笑)。
先日も私の畑で収穫した里芋を渡してきました。
0円空家バンクを利用した感想
0円空家バンクは、とても良い制度で満足しています!
上市町に移住した人は、「生活にお金がそこまでかからないので、自分で自由に使えるお金が増えたと感じる」「通勤時間もそこまで長くないし、家族や子どもと一緒にいられる時間も増えた」と言う人が多いです。
0円空家バンクを周りの人にも勧めて、上市町の人口増加にもっと貢献したいと思っています!
上市町0円空家バンクのしくみ
0円空家バンクの仕組みについては、上記動画を見ていただくと大まかな流れが分かります。
この動画もあわせて見ていただくことで、より理解が深まるはずです。
空き家の提供者にとっても取得者にとってもメリットの大きい制度ですので、ぜひ積極的に活用してください。
その他にも空き家に関する悩みや質問は、上市町役場の建設課管理建築班までお気軽にご相談ください。
上市町建設課管理建築班
〒930-0393 上市町法音寺1番地 (3階)
Tel:076-472-2477
Fax:076-473-2085
相談や問合せは、かみいち空家の窓口まで
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